【現在の比布駅】 2016年10月撮影
JR宗谷本線(旭川駅〜稚内駅)比布駅は、旭川市内の高校へ通う高校生や仕事の通勤、病院通いの方などに利用されています。比布駅で撮影されたテレビCMの効果でたくさんの観光客が訪れた時代もありました。2016年3月から現在の駅舎となり、待合室を兼ねた交流スペースには「ピピカフェ比布駅」(カフェカウンター)を併設、JR利用者だけではなく町民の憩いの場となっています。駅前広場では、9月には特産品販売・物販などを催す「ぴっぷ駅マルシェ」が開催され、多くの町民や観光客で賑わいます。
【歴史】
比布駅は、現在の宗谷本線の永山駅 - 蘭留駅間が1898年(明治31年)11月25日に開通した際に、一般駅として開設されました。最初の駅舎はこの年の8月25日に完成し、その後1934年(昭和9年)11月に母屋が改築され、以来2015年(平成27年)まで使用されました。待合室は1953年(昭和28年)に増築され、翌1954年(昭和29年)9月5日から駅待合室内に鉄道弘済会の構内売店が設置されて、1970年(昭和45年)4月30日まで営業していました。また1955年(昭和30年)1月31日には跨線橋も完成し、この時代、通勤客や学生など多くの町民に利用されました。その後、国鉄の合理化問題が取り上げられると、無人化や貨物取り扱いの廃止が進められることになり、1978年(昭和53年)12月1日に貨物、1984年(昭和59年)2月1日には荷物の取り扱いが、それぞれ廃止となりました。1984年(昭和59年)11月に無人駅化され、町内の時計店に乗車券の発売が委託されるようになりました。この時計店の主人が1987年(昭和62年)7月に喫茶店「ペペ」を駅舎内で開業し、旅行客からの人気を得ましたが、2010年(平成22年)6月に閉店し、完全無人駅となりました。同時にJR北海道の駅舎建て替え計画により、従来の駅舎よりコンパクトなものとする計画が出てきたことから、町では新たな観光施設としてまちの顔になる駅舎建設が決定され、従来の駅舎は2015年(平成27年)6月19日限りで使用を終了しました。 新駅舎は2016年(平成28年)3月15日に供用が開始され、半月後の4月1日に交流スペースを兼ねたカフェカウンター「ピピカフェ比布駅」がオープンしました。
【年表】
・1898年(明治31年)8月25日:初代駅舎完成。
11月25日:北海道官設鉄道天塩線永山駅 - 蘭留間延伸開業にともない設置。一般駅。
・1905年(明治38年)4月1日:鉄道作業局に移管。
・1912年(大正元年)9月21日:宗谷線に線名を改称。
・1914年(大正3年):王子製紙苫小牧工場により愛別伐採林の石狩川流送木材陸揚網羽から当駅土場へ馬車軌道敷設。
・1919年(大正8年)10月20日:宗谷本線に線名を改称。
・1922年(大正11年) :石北線開通により王子製紙の木材流送及び馬車軌道廃止。
・1934年(昭和9年)11月:駅舎が改築。
・1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道(国鉄)に移管。
・1953年(昭和28年) :待合室増築。
・1954年(昭和29年)9月5日:待合室内において鉄道弘済会の売店が営業開始。
・1955年(昭和30年)1月31日:跨線橋完成。
・1970年(昭和45年)4月30日:この日限りで鉄道弘済会の売店営業終了。
・1978年(昭和53年)12月1日:貨物取扱い廃止。
・1984年(昭和59年) 2月1日:荷物取扱い廃止。
11月10日:無人駅(簡易委託駅)化。
・1987年(昭和62年) 4月1日:国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる。
7月:駅舎の一部を借り受け、喫茶店「ペペ」が開業。
・1990年(平成2年)秋:駅舎の外壁をこげ茶色から、町特産のいちごをイメージしたピンク色に塗装。
・2010年(平成22年)6月:喫茶店「ペペ」が閉店。
・2015年(平成27年)6月19日:この日限りで旧駅舎の使用終了。
・2016年(平成28年)3月15日:新駅舎の供用が開始された。同時に、駅前の公衆トイレ「いちごトイレ」は使用終了(その後、4月下旬に解体されて更地となり、駅駐車場が拡げられた)。
4月1日:交流スペースを兼ねたカフェカウンター「ピピカフェ比布駅」がオープン。
9月4日:リニューアルされた駅前広場にて、グランドオープンイベントを開催。
・2021年(令和3年)3月12日:南比布駅と北比布駅が廃止されました。
【比布駅とピップエレキバン】
1980年(昭和55年)に本州の大学生がバイクで比布駅 を訪れたことが縁で、ピップエレキバンのCM撮影が行われました。女優の樹木希林さんと当時の販売会社「ピップフジモト」の故・横矢勲会長によるもので大変注目を浴びました。それにともない当時は多くの観光客で賑わいました。
【比布駅とミツバチ族】北海道内外から比布町を訪れるライダー達。オートバイの音(ブンブン)がミツバチを想像させることからミツバチ族と呼ばれます。そのミツバチ族を迎え入れるため、町民有志で駅前にテントのライダーハウスが設置されることとなり、平成5年には駅に隣接して無料宿泊施設「ブンブンハウス」が建設されるまでになりました。